≪ 隠れ蓑 ≫
気分が落ち込んだ時、良く花屋さんへ出向きます。
色とりどりの花々を眺めている内に、だんだん心が緩んできます。
この頃は、初めて聴く名前の花が増えています。
ですから余計に新しい植物との出会いがリフレッシュにもなります。
手入れが簡単で、長持ちしそうなものを見つけると、我が家の一員をして、また社長室の一角に迎えられる事になります。
また、嬉しい事があって、ささやかな自分流のお祝いの時にも、花屋さんを覗きます。
今回は後者。
そして、このグリーンの名前は「隠れ蓑」花言葉は『妖精』
なるほど、妖精はこの大きな葉っぱの陰にひっそりとたたずんでいそうですね。
良く名付けたものです。
広辞苑で「隠れ蓑」を引くと①それを着ると身を隠す事ができるという蓑の事とあります。
「蓑」そのものの意味も解らない世代の人の方が多いでしょうが、植物の茎で編んだ雨除け・雨具の事なんですね。時代劇の雨のシーンでは見覚えがあるかも知れません。
妖精を想像すると可憐ですが、「隠れ蓑」そのものは、あまり良い例えにには使われません。
自分の都合の悪さを隠そうとして、何かを「蓑」に仕立てる事は良くある事です。
でも所詮「蓑」は「蓑」。
良く見ると、隙間から見届けられてしまいます。覗いた時に、妖精では無く、「嘘」が見えたら、ガッカリです。
この日、華やかなダリアの花と合うグリーンを探していて、花屋さんが選んでくれたのが、「隠れ蓑」だったのですが、お会計を済ませてから、教えて下さったその名前に、「何だか意味深ですね」と答えたものの、実はこの花の方がよりダリアの方が「意味深」だったんです。ダリアの花言葉は「華麗」「優雅」「威厳」「移り気」「不安定」「感謝」と陰陽混在しています。
「華麗」や「優雅」は見たままの表現ですが、「移り気」に関してはナポレオンとジョセフィーヌが登場するのでビックリ。
どうやら、ジョセフィーヌが執着していたダリアが人の手に渡った途端、その想いが途切れた・・・と言った彼女の気まぐれな性格から来ているものらしいのです。
人は、時折そう言う事があります。手放してしまったら「どうしてあんなにこだわっていたのだろう?」と。
それを「移り気」と言うのが正しいかどうかは別として、人や物への執着心を無くすと、実にスッキリします。
今は、その為のセミナーもあるとか・・・・・・。
花一輪、どんな花にも名前が付けられていて、その名前の由来を知る事で改めて興味が湧くというものです。
花屋さん廻りも、出来れば、「ささやかな自分流のお祝い」気分で行く事を増やしたいものです。