お別れ
≪香り続けています≫
≪ 咲き続けています ≫
誕生日に頂いた花束の中のカサブランカがまだ、綺麗に咲き続け、馨しい香りを漂わせてくれています。
生きている物は全て命があり、その命の限り何かの役割を持ってこそ生き甲斐があるというものです。
花々達は、美しい姿で、私を楽しませてくれ、心穏やかな思いにさせてくれます。
良い香りは、それだけでリッチな気分にもさせてくれます。
でも、どんな命にも必ず終わりがあります。
今夜、長くお付き合いさせて頂いた利用者の方のお別れに行って来ます。
入院してから、診断や治療方針が定まらないうちのご逝去でした。
「寿命」が何時までと解っていたら、何をしてあげられたでしょうか?
この想いは、家族ならもっと切実に感じるでしょうし、出来なかった事を悔いたり、自分を責めたりもしましょう。
私は、ご家族がお別れの時に後悔しない為のご支援をしたいと常日頃から思っています。それはサービスを組み立てたり、単位数の管理をする以外に、根本的な関りだと思っていますし、その支援が出来てこそ一人前のケアマネージャーだという自負があるからです。
毎週行っているケアマネージャーの会議と研修でも、必ず私が口を挟み、譲れないのはその部分です。
そう言う私がちゃんと出来ているか?と問われれば、まだ不足の事も多いでしょう。
「何時までも元気で生活してほしい」というご家族の願いは、事実無理な事です。
命には終りがあるからこそ、今生きている時間をどう過ごして欲しいのかを確認し合う事が私達の大きな役割で有ると確信しています。
今朝は、薬局で起きたクレーム対応で始まりました。
長年の直感で、私が直接お詫びに行った方が良いと判断し、頭を下げてきた時に、お客様が仰った言葉が私の仕事を「志事」として受け止めさせて下さいました。
それは「薬を貰いに行く人間は、病人なんだよ。色気は必要無いけど、優しくして欲しいんだよ。お宅に行きたいから文句を言うんだよ」と仰った後に、「社長、貴女なら何とかしてくれると思うけど、ちゃんとしないといけないよ。宜しく頼むよ」と逆に励まされて帰って来たのでした。
本当に有り難い事です。
「地域の皆様のお役に立つ」と言いながら、実は地域の皆様に応援され、叱咤激励されながら、仕事をさせて頂いている事を、改めて教えて下さった事を私だけでなく、うちの人達が感じ取って、それを形にしていかなければなりません。
今日、お別れに伺うT様も、長い月日の中でお元気で商売に励んでおられていました。
要介護状態になる前の姿が今でもはっきり思い出され、親切にして頂いた事を忘れる事が出来ません。入院中の辛い時間を終え、やっと元のお優しいお顔に戻られたとか。
お一人、お一人この地域を支えて来られた方が、旅立たれます。
寂しいのは、その方がこの世からいなくなる事もさながら、未熟な者達へ何かを伝えて下さる存在を失う事に有るのかも知れません。
亡くなるその姿を持ってさえも、大切な事を学ばせて下さったT様に合掌。