4月13日(月)
先週末、音楽グループのボランティア演奏会にお誘いを受けて桜上水まで出向きました。
3人の女性コーラスとPiano伴奏。
そのうちのお一人がPianoサロンでご一緒している方です。
地域の皆さんに向けての小さな、気楽な音楽会でしたが、10曲を演奏するのはとても大変だったと想像しました。
それは、たった3~4分の1曲で苦労しているから・・・・・・(・・;)
でも、ボランティア活動を永くされているだけあって、楽しそうに歌っている姿は力強くて、何だかすごく励まされている気がして、グッと来てしまいました。
歌で励まされるのって、本当なんですね!
桜上水は、京王線での通過駅でしかなかったのですが、この様な機会で初めてブラブラする事が出来ました。
翌日の日曜日は江東区茶華道連盟主催の、「江東五区茶道大会」のお茶席へのお招きで、今度は江戸川の船堀へ。
この駅も初めて立ち寄る駅でした。
江東区の代表であるM様は、茶道数十年の大・大ベテランです。
初釜から季節ごとに行われるお茶会の亭主として、当日お使いになるお道具はもちろん、掛け軸、お花、全て一体になるように計算してお客様をお迎えになるという事を常日頃から伺っていたので、その会場のお席に着いた時には、身が引き締まる思いでした。
(本当に身が引き締まれば良いのですが・・・・)
「気楽にお越しください」という言葉通りに伺ったものの、着物姿の方々に囲まれて、特別な空間にいる感じでした。
季節のお花を、当日にちょうどよく咲かせる為に室温を気にしたり、置き場所を変えてみたりと、そこには「おもてなし」の為の下準備が相当に重ねられていることが解ります。
わたくしの隣にいらした男性は小さな声で質問をしてきます。
「これどうやって食べるの?」→「懐紙に受けて、お茶が出る前に頂けばいいと思います(・・;)」
「これは食べ難いね。さっきのお饅頭の方が美味しかったね」→「そっと、包んで持ち帰っていいんですよ・・・」
「へ~そうなの、母ちゃんに持って帰ってあげよう♪」→「きっと喜びますね」
などと、素人同志がヒソヒソと話ができるのも、立礼ならではのフランクさです。
二日間で体験した事。
コンサートとお茶会。
どちらも、これが無いと生活に困る訳ではありません。
でもあったら、とても豊かです♪ とても素晴らしいです♪ あった方が絶対イイです♪
お隣になった下町のおじ様は「お茶をしている人はみんなおしとやかになるのかね?」「まさか、こんな時ばっかりじゃ~しょうが無いよね」
という素朴な質問も投げかけてきました。
それには苦笑いをするしかありませんでしたが、一つ一つに意味があっての所作ですので、それを勉強するだけでも、知らないよりず~~~~っと良いのではないかと思ったのでした。
確かに、お茶席での振る舞いを日常ではなかなかいたしませんが、きちんとお辞儀をする動作や手の置き方、「お先に頂戴いたします」という当たり前の言葉を綺麗に伝える・・・・・。
いい年をしながら、無作法な者にとっては、とても刺激的で美しい場面を体験させて頂くことが出来て本当に幸せでした。
M様は80歳を機に後任にゆだねると仰っていますが、昨日のお姿を拝見すると、もったいない様な気がいたしました。
江東区のお席を後にし、足立区のお席へ向かいましたが「表千家」「裏千家」の違い以上に亭主の雰囲気で、場が全く違うものになるという事が解りました。
これは、チームリーダーにより動作や成果が異なるのに通じています。
同じ会場で、同じ悪条件の中で振る舞われる中、M様はニコニコと笑いながら「お茶を差し上げて」「お茶碗を下げましょうか」と半東の方々にお声かけしています。
一方、「まだ出せないの?」「早く下げて」と指示命令口調になる場面を見ると、招かれた客は居心地が悪いものです。
日本の文化の奥深さ、音楽の持つ力、どちらもわたくしと親しくして下さっている方が実践している事が嬉しくもあり、誇らしく感じた豊かな休日でした。
そうそう、ヒソヒソ話で仲よく?なった下町のおじ様も「あ~楽しかったね、また今度来よう!」とニコニコとされていました。
「一期一会」
この言葉こそ、お茶会の心得そのものです。
一度きりかもしれない出会いの場で、心を込めておもてなしする、その為の心使いという事です。
別れ際に「またお目にかかりましょう」と申し上げてはみたものの、本当に再開できるかどうかは解りません。
ボソボソ、ヒソヒソとお話したことが、おじ様の不安や緊張を少しでもほぐせたのなら、わたくしもそのお席に出向いた甲斐があるというものです(*^^)