12月15日(火曜日)
会社・組織にとって採用ほど頭を悩ます事は他に無いのではないか?と感じるほど重要であり、難しい事です。
会社が行っていくべき事または社員にして欲しい仕事と、入社してくる人がしたい仕事のギャップが大きくては困るからです。
会社はできるだけ少ない時間で多くの成果を作りたいと考え、社員はできるだけ仕事を増やさずにお給料は上げて貰いたいと思っている。
これは弊社に限らず、ある意味世の中の常識となっています。
かつて、自分が雇用される側にいた時にも似たような思いはありました。
違っていたのは、仕事はどんどんする。新しいことに取り組むのも好きで、自分で仕事を作っていた事。8時間労働、週休2日は夢の夢。
日曜も仕事に関する勉強会に出向き、薬局の店舗見学はシリーズになっていました。
人様の店舗で教えて頂いた事を帰って実践するのが当たり前だと思っていましたし、知らない事を知るのが楽しくてなりませんでした。
大晦日は、紅白歌合戦が始まっても、レセプトの計算を終わらせる迄は帰れません。
今と違って、一枚一枚、電卓で計算していた手書きのレセプトでした。
3点誤差が出ると「劇薬加算の取り忘れ・・・」など手書きだからこそ間違いのパターンも良く分るという仕事でした。
だからお給料は高くあって欲しいとも思っていました。
会社の成長とともに人は増やしていかないとなりません。
しかし、ここで焦ると、後が厄介です。
現場は、忙しくなると『人を入れてほしい』と言いますが『どんな人がいいの?』と聞くと今現場で不足している仕事をシェアできる人と答えが返ってくることがあります。
採用するには採用した後の計画が立っていないと、忙しさを分け合うだけで、いわゆる生産性という概念からズレてきてしまう事にもなり兼ねません。
先日面白いメルマガが届きました。
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【役所の採用は民間出身者に限る】
長野県下條村は、村役場職員の大幅削減に成功した村です。
人口当たり平均の半分強しか村職員がいないのです。
少数精鋭で生産性を高めているのです。
採用を全くしないのではなく、欠員が出れば採用します。
しかし、新卒は採りません。民間で仕事をしていた人を対象にキャリア採用だけを行うのです。
伊藤村長は民間の出身です。企業経営者です。
村長になった際に、村役場職員の仕事の生産性の低さを目の当たりにしたそうです。
意識改革が必要だということで、近隣に立地するホームセンターに交代で研修させることも実施したそうです。
民間の仕事観の導入という点で徹底しているのです。
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ずっと以前の事。
区役所で書類を封筒に詰めている職員がおられました。手元を見ていたら、とてもゆっくりでした。
関係部署での姿でしたので、きっとあの封書は利用者宛てなのだろうと予測しましたが
椅子に深く腰掛けて、まるで時間つぶしの作業の様に見受けられたのでした。
若いころ、ボランティアで同じようなDMの発送作業を手伝う際に、そのチームリーダーが「古谷さんは何分でどの位封詰めをするの?そしてそれをしている間はどんな気持ちでいようとするの?」と聞かれビックリした事がありました。
今思うと、生産性を考えて取り組む意識があるのか?また『やらされ感』でするのか自分の明確な意思のもとで行うのかを確かめられていたのかも知れません。
生産性も大事ですが、嫌々するのと、「やってみよう!」とワクワクと意気込んでゲームの様に楽しんで行うのとでは全く違う時間を過ごせる事になります。
目標設定と達成するための具体策を講じる訳です。
紙を三つ折りにする、詰める書類が複数なら、置き場の順番を決め、向きを揃える。
封筒に詰める、封を閉じる。
封詰めの枚数を数えやすくする為に20部をひとまとめに輪ゴムで止める。
20部が5冊できたら、箱に詰める・・・・・。
この体験があったからこそ、今でも単純作業に関しては、見る目が厳しいのかも知れません。
今年“すまいる♡くらぶ”を立ち上げた時に、一人採用しようと考えていました。
実際に福祉用具専門相談員の経験者と面談を行いましたが、『見送って欲しい』と現場から言われました。
その理由は、『自分たちが作ってきた仕事観や、会社の方針を大事にしてくれる人でなければ、今までの信用を失う事にもなりかねない。だったらこの人ならと思う人に出会うまでは自分たちで頑張ります』というものでした。
わたくしは、この人たちは本当に成長してくれた・・・・。と大変嬉しく思ったのでした。
宣言した通り、一生懸命に仕事に向き合い、その姿は楽しそうにも見えてくるのです。
「何のために仕事をするのか?」誰にも色々な理由があって当然ですが、会社の文化やお客様のご要望に沿った事をしてみようという心根が無いと、自分の価値観にしがみつく仕事のやり方になり、結局は周りとうまく協働できなくなります。実際にその様な人を沢山見てきました。
今日は冬季賞与の支給日です。
口座に入った金額を眺め、『もっと欲しいなァ』と感じている社員もいると思いますが、お金を稼ぐというのは、何にしても大変な事なのだと思ってくれればイイと思うのです。