11月24日(木曜日)
この時期になると、お歳暮の準備をする為の時間が必要になってきます。
最近では、ネットで商品を選び、先様へお贈りする方法も充実してきましたが、当方のやり方はまだまだアナログです。
この様な機会に日頃お忙しくてお目にかかり難い先生方とお話させて頂ける貴重な場面となります。
さて、一般的な商品の簡易包装は段々浸透して参りましたが、ビール券やお買い物券などを注文する時にはそうそう簡易的な包装ではお贈りする方への配慮が薄いと感じられる為、丁寧に包んで頂く事をお願いします。
所定の横型の封筒に入れる。それに熨斗を付けて百貨店の包装紙で包む。
この時の包み方を眺めるのが好きです。
商品券売り場にはだいたいベテランと思われる年配の女性がズラ―っと並んでいます。
その中でも、❝早くて丁寧!!❞な包み方ができる超~~~スペシャリストさんがいらっしゃるのです。
箱や封筒の大きさを包装紙の角度で合わせ、折りたたむ分を正確に決めます。
折りたたむ際にも、超人さんはとても美しく、仕上がりが凸凹しない様にきちんとした仕事をなさいます。惚れ惚れするような手の流れです。
時たま、仕上がりがキッチリいかない事が指の感覚でわかると、サッと包装紙を交換し、包み直します。その技も早いのです。
「包み直しはもったいないなア」と思うのですが、角が揃っていない包装の金券を受け取られた方への配慮として、百貨店の名に懸けて包み直すのだろうなと思いながら眺めていました。
ラッピング一つにも、その方の仕事意識が現れるのだと感心しながら、「とてもお上手ですね。全部同じ様にきちんと包装されると気持ちが良いですね」と申し上げたら「もう何年もしていますし、それが仕事ですから。」と笑顔で答えて下さったベテランさんのお顔は少し誇らしげでした。
そう言えば、10数年前に尋ねた北欧の老人ホームに、折り紙をプレゼントにお持ちし、その場で鶴を折って差し上げたら、四角の紙が立体的になるのを不思議がっていたと同時に、とても喜んで下さった事を思い出しました。
手先が器用と言えば、亡き母は和服の仕立てをしていましたが、細かな針仕事を根気よく実に丁寧に行っていたものです。
直角に仕立てる場所と、お袖のように丸みを持たせる独特の仕立ては面白い道具を使って見事にきれいな半円を作り上げていました。
糸が途中で足りなくなった時には、繋ぐ糸と糸を少しづつほぐし、お互いの先を絡めてまるで初めから一本の糸だった様にして運針を続けたものです。
その様子は子供心にも関心するほど見事だったので、糸繋ぎの術?を眺めるのが楽しみでしたし、そんな技を持つ母を自慢したいくらいでした。
今から思うと、手先の器用な母にもっとお裁縫を習っておけば良かったと思うのですが、もう後の祭りです。