一生懸命だからこそ…
8月1日(火曜日)
昨晩開催された『模擬 地域ケア会議』で恐れながらアドバイザーとして参加をさせて頂きました。
地域リハビリテーションを普及させる中での課題を話し合いながら、高齢で支援が必要だと思われた方にどんな介入をしていくべきか?事例を元に医師・看護師・管理栄養士をはじめ専門職が集い意見交換をするというものでした。
普段からお世話になっている病院の先生方からお声を掛けて頂いた際に、どんな予習をすればよいでしょうか?とお問合せをしましたところ、「普段の古谷さんのままで結構です。感じた事を伝えて下さい」とお返事を頂いたので、本当に素直に何も構えずに伺った次第です。
そして、その会議を見学しましょうと集った方々で会場が一杯でした。
その中には弊社のスタッフも二名参加していましたが、今朝感想を聞いてみたところ、『社長が加わった時のいつものMTGみたいでした』と言われ、少し複雑な気分でした。
この手の会議で交わされる言葉にどうしても違和感を持つわたくしは、二事例目の際に『拒否』という言葉を使う事は好きではない事、その理由をお話しました。
提案を受け入れない高齢者は『拒否の人』とくくられるのはどう考えても変です。
断るという自己決定をしたと捉える事が出来れば、その意思を尊重したいと思うものです。
『拒否』という言葉に尊重もへったくれもありません。
何とかしてあげたい!!何とかしなければ!! と思う人たちが集合すると、アレ・コレと手段の提案が次々行われていくのが常です。
欲しくない事を提案されたら、死に物狂いで受け入れない言い訳をする。それが拒否と受け取られる。この構図は見直したいと思っている事の上位にあるものです。
人の仕事に色々いうのは簡単ですが、昨夜は立場上自らの視点で確認したい事、感じた事、を述べて参りました。
帰りのエレベーター前で『素敵でした!!』と声を掛けて下さったのが墨田の保健師さんでした。
それぞれが、それぞれの立場でやれる事を必死にやっているけれど、何か違う???と思っていらっしゃる様でした。
若い女性のPTさん(理学療法士)は終了後、涙目になって『明日利用者さんにもっと本音でお話をしてみます』と仰っていました。
「私も沢山の失敗を重ねてきたんです。どれだけ恥ずかしい思いをしてきた事か・・・」とお伝えしました。若い方が人からの言葉に刺激を受けて何かに気づく。素晴らしい事だと思います。
今日は生憎午後から雨になりましたので、外の歩行練習は出来なかったと思いますが、室内で行うリハビリの合間に、琴線に触れる会話が出来ていたら嬉しいと思います。
わたくしも含め、人に指示されたり、強要されると反発心が芽生えます。
うなづきかぼちゃんの様に『そうそう』『フーン』と相槌を打ってくれるだけで、思わず本音を語りたくなるものです。
専門職になればなるほど、自分の技術や知識を相手に伝えようと一生懸命になるのですが、何と言っても『生活の場』なのです。
ご本人とっては多少散らかっていても自分のお城です。
自分で決める事の大切さを当事者も、関係者も忘れてはいけないと思うのです。