8月3日(木曜日)
お祝いを頂いたお返しに『内祝い』をお贈りするという日本の風習があります。
亡くなった母は生前、兄弟の結婚、出産、入学、就職などなどわたくしがお祝いを用意する度に『良子さんも人にあげるばかりでなく、早くいい人を見つけて元を取り戻さないと』と笑っていました。
母に『元とったヨ~~~!!!』と報告が出来ないまま年を重ねてしまいましたが、お祝いをお渡しできるお付き合いが出来る事はありがたい事です。
さてさて、そもそも大昔には、結婚、出産、年祝いなどは個人やその家庭だけで済ます事をせず、その近隣のみんなで共に喜び、祝うという習わしがあり、主には飲み食いを共にし、パーッと盛り上がる祝宴に招く事が当たり前だったそうです。
祝宴に代わり、祝って貰ったらその返礼に『内祝い』として物を贈る事で喜びの共有をする文化に変わっていったのだそうです。
今でも地方の結婚式、披露宴は一晩中行う習慣の所もある様ですが、お嫁さんは大変でしょうね・・・・。
お中元や、お歳暮をはじめお贈り物をする際に『熨斗紙』の種類を尋ねられます。
『寸志』という奥ゆかしい表現も日本独特です。
その中で『内祝い』という熨斗を掛けてもらう時は、きっと幸せな気持ちなんだろうと思ってしまいました。
今まで何十回内祝いを頂いたか数え切れませんが、これまでそんなに気にならなかった『内祝い』という文字にごく最近何とも言われぬ喜びを感じました。
単純に歳を重ねて感傷に浸る様になっただけの事かも知れません。
しかし、日本人の心配り、文化というのは本当に素晴らしいのだとつくづく思います。
英語だとPresentやGift以外に表現があるのでしょうか?
言葉には意味合いが含まれます。
その言葉を選ぶには選ぶに値する背景があるのが面白いですし、素敵だなと思います。