8月21日(月曜日)
社内、社外を含めて、笑えない事が重なります。
見方によっては笑い飛ばせる程度の細かな事かも知れません。
それぞれの当事者たちは、自分が関わる一つの事をそんなに大した事では無いと思うかも知れません。
ただ、見えて来るのです。聞こえてくるのです。後始末に四苦八苦します。それが重なるとさすがに笑えません。
『ごめんなさい』『申し訳ありませんでした』とお詫びをしても、何の解決にもなりません。
うっかりならともかく、そもそも伝える気持ちが無い相手に対して腹を立てても仕方のない事。
そう思いを鎮めようとした時に浮かんだ言葉が『手抜き』でした。
手抜きとは『するべき事が分かっていながら途中の工程を省く事や、仕事の手が休まる事、暇になる事』です。
さて、ほとんどの飲食店のピークは昼時と夜です。
ピーク以外の時間は人のシフトも薄くなります。
そんな時にフラッと立ち寄った暇なお店の店員さんが注文を取り終えた後にどんな行動をとるか? この観察が面白いのです。
ため息をつきながら、ボヤ〜ッと遠くに目線が行っている人。
この場合は、もはや何も期待してはいけません。静かにそっと食事を終わらせる。その場から立ち去る事がボヤ~~とした邪気の念から逃れられるのです。
一方、テーブルやカウンターを手際よく拭いていたり、水差しの水を補充したり、何もする事が無くなった時には、姿勢良く定位置にさり気なく佇んでいる。
ガン見はしないけど、何となく客の食事の進行具合を視野の中に収めています。
こういう時には、お水が欲しくてスタッフさんの姿を探す・・・とか、声を張って『すいませ~~ン、お水下さい』と言わなくても済みます。
わたくしが、まだ一社員だった時の事。
『古谷さん、暇があったらとにかく掃除をするんだよ』
『暇があったら、僕とお客さんの話をちゃんと聞いているんだよ』
『暇なんか作り様が無いんだよ。やる事は一杯あるでしょ』
『お客さんがいない時にお客さんの席に座って店全体をを見るんだよ』
といくつもの『暇な時対策』を当時の社長から伝授して頂きました。
先がチビてとても使いにくそうなホウキを片手に、店頭をマメにお掃除していらっしゃったのが前社長です。
その頃は、まだまだ身体が動いていましたので、道路に並べてある商品の管理や、古くなったPOPなどの書き換えなど夜遅くまで働きました。
いつもお店に立ち寄って下さる方からは『女番頭さん』と呼ばれていました。
イエイエ、一社員です・・・・・。と言っても仕方が無いので、ニックネームに恥じない様に、暇を持て余す事無く、身体を動かしていました。
本当に仕事はいくらでも、いくらでも、あるのです。
ある時、股関節のじん帯が切れて入院した際に、お見舞いに来てくれた薬剤師が申し訳なさそうに何かを渡しました。
広げてみると『お仕事グッズ』でした。
足が悪くても手と頭は使える。だからショーケース用の小サイズのPOPを書く事が宿題となりました。
入院となると、有給休暇では足りないと思った当時の社長は、少しでおお給料が発生出来るよう、休みやすい様にと仕事を用意して下さったのだと思います。
今の時代、社員にそんな事をしたら否定と共に総スカンを食らい、労基署に怒られます。
20年も前の事ですので、会社と言っても薬局一つ、社員は数名でしたので、社長の想いがそのまま特例措置に繋げられたのです。
今思うと何てありがたい事だったのかと思います。