2月8日(木曜日)
若いころに勤務していた時に「あなた達とは何語で話したら伝わるのか解らない」と良く言われておりました。
また、あるスタッフが先生に指示をされた際に「切りがない」と反論し、激怒させたことがありました。
『やりもしないで切りがないとは何事だ!そんな口を利くのだったら切りが着くまでやってみなさい!!』
この言葉は、師と関わった事のある人達の中で、未だに名言として言い継がれています。
昨夜、TV番組で沈黙を破りインタビューに応じた親方が『今の自分には父の細胞ががそのまま入り込んでいる様な気がします』とお話されていました。
わたくしと先生は親子ではありませんし、血縁関係にもない訳で細胞が入り込む事はありませんが、仕事観については大変大きな影響を受けていると思っています。
今は亡き偉大なる師の教えは、その当時の年齢に近づいているせいか、口から飛び出す言葉がまるでその当時に言われていた事と重なります。
『私の目の前で出来ない事は他で出来るはずがない』
『もし、あなた方がお嫁に行った先でお姑さんに注意をされたとしても、私はお姑さんの方を持つと思う。意地悪ではなく、自分の至らなさを教えてもらっていると思った方が良い』
沢山の語録を残された方でした。
若かったわたくしたちは、お叱りを受けたその夜は、トボトボと半分泣きながら八重洲通りを東京駅まで歩いたものでした。
あの時に血管が切れるんではないかと心配になったほど怒って下さった事をしみじみ有難い事だと痛感しています。
大きな声を出さずに済めば、嫌な事を言わずに済めば誰も苦労はしません。
目を三角にして叱らた事、本気で仕事の意義を伝えて下さった事。
薄っぺらい関わり方をされるより、幸せな事だったと思います。