5月14日(月曜日)
週末のテレビ番組に野球で大成功を収めた方がインタヴューを受けていました。
対談の後に、球場へ出向きアナウンサーとキャッチボールを始めました。
女性のアナウンサーに「やった事ありますか?」と聞きながら、優しいボールを投げています。
そのボールをちゃんと受け取った時に「上手ですね。キャッチボールは優しさなんですよ。相手が取りやすい様に投げるのがコツなんです。相手に合わせると言うのがキャッチボールの基本なんです」とお話ししていました。
コミュニケーションを学ぶ際には『言葉のキャッチボール』という言葉を良く利用します。
ボールを言葉に、言葉をボールに例えて相手の理解度に合わせたやり取りをする事。
話し方、ニュアンスを相手に合わすと、受けては安心してその言葉を受け止めてくれます。
受け取った者はその相手に、ちゃんと受け取ったかどうかを伝える。(ボールを投げ返す事が出来る)
やっと言葉を覚えた赤ちゃんに野球の鋼球を力一杯投げる人はいないでしょう。
投げるとしたら、フカフカのスポンジ製で、取り損ねても顔に跳ねても痛くない素材を選び、投げ方もフワ~~とさせるでしょう。
小さな手で取りやすい様に大きさもほどほどであるはずです。
そして、成長に従いだんだん素材が硬くなったり、大きさに変化があっても受け取れるように練習する訳です。
キャッチボールは相手に目を向けないで行わないはずです。
ところが、言葉のキャッチボールは相手を見ないまま、ボール(言葉)の選択も吟味せずに行われる事が多い様に感じます。
他人事ではなく、自分自身も気を付けないといけないのですが、『社会人』『仕事人』として投げるボールをことごとく避ける人もあるのが悩みです。
自分が受け取れるボールの大きさ、硬さ、速さがどれくらいなのか?
相手を慮る配慮は大事ですが、自分がどの程度のボールなら受け止められるのかを分かっている事も重要ではないでしょうか?
いつも自分の基準に合わせたフカフカのボールや、カチカチの鉄球のやり取りでは会話が成り立ちません。
思いやりは、むやみに人にねだるモノでは無く、お互いが持ち合わないとうまくいきません。