≪津波警報の旗≫
2月14日(金曜日)
少し前のとても寒かった日に沢山の買いだめをした帰りのタクシー乗り場が混んでいました。
5~6台は待たないと・・・と思いながら列に並びました。
私の前の方は車いすの男性でした。
付き添いの方はおらず、ご自身の番になりそうな時に、後ろに掛けてあるリュックを片手で外そうとしていますが、思うようにいかない様子でした。
『お手伝いしましょうか』と手を伸ばそうとすると、『イイ』と仰ったので、そのまま手を引っ込めました。
リュックが外れないまま次々とタクシーが着いて、前屈みなってドアに手を伸ばした瞬間、ガクンと車いす毎転倒しそうになりました。
流石に、『イイ』と言われてもこの状況だけは無視できません。
私の荷物を手放して車いすを押さえました。
タクシーのドアも止めている間に、運転手さんが降りてサポートして下さったので、自分の荷物を拾い次の車に乗り込みました。
人の世話になりたくないとか、迷惑をかけると申し訳ないとか、もしかすると以前に救いを求めても嫌な顔をされたとか、無視されたとか、関わりを持ちたくない経験をなさったのかも知れませんが、自分でやりたい事を安全に行うには、誰かの協力が必要です。
ご本人にしか分からないサポートの際のコツがあるのでしょうから、それを伝えて下さるといいのに・・・と思いました。
そんな事が当たり前にならないといけないと思います。
また、今朝は駅前のバス停で、杖でようやく歩行しているご婦人が、並んでいる人達を割ってベンチに何も言わずにドン!と腰かけました。
私が乗ろうとする路線とは違うバスが来たので、避けて待っていたら、そのご婦人が『○○に留まりますか?』と聞き『そこは止まりません。先を曲がるのでこのバスじゃないです』と運転手さんが答えているにも関わらず、『私は歩けないんだからしょうがないじゃない。乗るわよ』と言ってそのバスは発車していきました。
その1分後にその方が行きたいルートのバスが来て、私も乗ったのですが、どうも目の前のバスが気になって仕方ありません。
交差点で、その方が降りたであろう方向を見てみると、車がブンブン行きかっている道路を堂々と斜め横断している姿が目に入り、『スゴイなア』と感じました。
全てが私の認識と違うのでビックリしたのでしょうが、自分の生きたい場所に行く為の確認をしているにも関わらず、そのアドバイスを無視する。
降りた場所からだいぶ戻らないといけないと分かった時には、最短の距離だとして道路を斜め横断する。
杖を突いてやっと歩いているのだから、車が避けるのが当たり前・・・・という事なのでしょうか?
お顔には大きな傷がありましたので、もしかすると何かの事故で怪我をされたのかも知れません。
そしてその際に、理解力や判断力という大事な機能が損傷したのかも知れません。
あくまでも想像ですが・・・。
しかし、見えない障がいは一瞬の会話や言動だけで通りがかった人には理解が出来ません。
小さな子供たちから高齢者、障がい持った方々が共に安心して暮らしていける為の仕組みを作ろうとしていますが、病気や障がいの中身は人それぞれですので、どうサポートすればいいのかを瞬時に判断する事はとても難儀な事です。
車いすの男性も、杖のご婦人も、ご自身の困り事が周囲に判りやすく伝えられる方法があれば、もっとスムーズに事が進むのではないかと思います。
視力の弱い方用に津波警報の旗を紅白の色と単純な形で分かりやすく統一したというニュースを見ました。
妊婦さんには妊婦さんマークのキーホルダーがありますが、席を譲る人が何となく躊躇して機会を逸する事が多いために、『妊婦さん、私は席を譲りますので声を掛けて下さい』というアプリが開発されたそうです。
何か手伝いたい気持ちがあるのに、どうしたらいいか分からない為に、支援のタイミングを逃す事は日常的にあります。
パラリンピックをきっかけに、様々な不自由に対してのサポートを考える人が増える事、沢山の人達の知恵で良い方法が見つけられる事を願います。